盛土式根圏制御栽培法

“こんけん”農法-超多収を可能にした新技術

”根圏(こんけん)”という言葉をご存知でしょうか?

植生のある土壌において、直接その”根”の部分から作用を受ける部分を「根圏」といいます。これは植物にとっての地下部分での「生存圏」といっても良い大変重要なエリアです。植物の根圏を健全に保つことが出来ないと、安定した成長と収穫が見込めなくなります。それほど重要なエリアなのです。

この根圏の環境を人為的にコントロールして高品質多収穫を実現する技術、それが「根圏制御栽培法」です。DIBでは、梨の栽培において、岐阜県下で初めてこの技術を採用しました。

「遮根シート」により地面と隔離した盛土に苗を植え付け、樹齢・生育時期ごとに測定した給水量・養分給水量に基づき、樹の成長に合わせて設定した養水分管理を行います。

2018年より16aの農地を根圏制御栽培法の専用梨園として栽培を開始しました。われわれは親しみを込めて”こんけん農法”と名付けました。

盛土式根圏制御栽培法

5つの特徴

1.移植翌年に収穫開始

購入苗をそのまま利用しても、移植翌年(2年目)には1~2t/10a、3年目に2~4tが収穫できます。

2. 高品質多収(収穫倍増)

移植5年目には成圏化し、慣行の2倍程度が収穫できます。果実糖度もかん水管理により高まります。

3. 作業の効率性・軽労化

コンパクトなY字樹形により、上向きの作業が少なくなり身体の負担が軽減されます。また、直線的な作業が中心となり、見落としや無駄な動きが減り作業時間が短縮されます。

4. 水分・肥料の溶脱を防ぐ

潅水装置により、適時適量の水分・肥料を与えるので品質が安定します。

遮根シートにより盛土が地面より隔離されているので、水分・肥料が地中へ溶脱することを防ぐことが出来ます。

紋羽病等の土壌病害から回避できます。

5. 品種更新が容易

コンパクトな樹形のため、新品種への切り替えや、消費ニーズに連動した品種更新などが容易にできます。